はじめに

Appleが発表した、時計型デバイスのAppleWatchが4月10日から予約開始、4月24日に発売されます。

私は、普段腕時計をしていませんが、私のように時計をしない人がAppleWatchをはめて、本当に幸せになるのでしょうか。私はNOだと思います。その理由をまとめてみました。
applewatch_06

iPhoneがないと使えないのが残念

Apple Watchの大きな制約として、iPhoneがないと使えないという仕様があります。
applewatch_07

Androidユーザは、Apple Watchを購入しても意味がありません。iPhoneユーザは、今までどおりiPhoneをかばんやポケットにしまったまま、新たにApple Watchを身につける必要があります。

つまり、「持ち運ぶものが増える」ということになります。

私の思いとしては、私生活において、持ち運ぶデバイスは極力少なくしたいという気持ちがあります。持ち運ぶものを必要最小限にし、身軽になることこそ真の「スマートさ」ではないかと思うんです。

私は普段、AndroidとiPhoneの2台持ちをしており、これ以上のデジタルデバイスを使おうとは思っていません。AppleWatchを新たに身につけたとしても、iPhone専用のサブ端末という位置づけでは、利便性が逆に低下してしまうのではないかと感じています。
20150128_xperia_iphone_01

AppleWatchの理想的な姿というのは、「iPhoneの代替デバイス」であるべきです。せっかくのウェアラブルデバイスが、「iPhoneが必要」という事実によって、ウェラブルの最大の特徴を帳消しにしてしまうのではないかと残念に思います。

※ランニングなどの際は、iPhoneを持ち運ぶ必要はないとのことですが、Apple Watchを使うにはiPhoneが必要である事実は変わりません。

創造性の欠如

Apple Watchに必要な機能とは何でしょうか。時計、通知、フィットネス、各種アプリの簡単操作など、iPhoneを母艦としたApple Watchの姿は容易に想像できます。
applewatch_05

Appleは創造性あふれる会社であったと思っていました。ただし、今のAppleには創造性がやや欠けているのではないかと感じてしまいます。それは、Apple Watchの驚くほど、面白くない、ありふれた機能だらけである事実が証明しています。
applewatch_04

Appleがやるべきことは、Apple Watchによって、新しいユーザ体験を提案することです。そして、生活を革新するほどのイノベーションを感じられる製品をユーザに提供することなんです。残念ながら、Apple Watchには、生活を一新するような革新的な機能を感じることはできませんでした。

ファッション性重視なら普通の時計で良かった

Apple Watchは、時計型デバイスであって、時計ではありません。そのため、iPhoneのように技術革新によって毎年リニューアルされる可能性が高いです。毎年リニューアルされるサブ端末をユーザは都度購入してくれるでしょうか。答えは限りなくNoに近いと思います。
applewatch_03

ただし、外装については他の高級腕時計に引けをとりません。Apple Watchは、高級腕時計としての地位を確立すべく、時計メーカーに殴りこみをかけてきました。腕時計の革新を狙ってきたわけです。

Apple Watchの発表時にも、ファッション業界の人物を招待したり、VOGUEとタイアップしてApple Watchをアピールするなど、ファッション性を非常に重視しているのが分かります。

しかし、これまでの腕時計が評価されてきた要因は、その「物理的なメカニズム」にあると思います。巧みな職人が非常に小さな部品を1つ1つピンセットで組み立てていく、非常に手の込んだ腕時計が評価され、それが値段に反映されるのが高級腕時計と言えます。

Apple Watchはどうでしょうか。中身はスマホを小さくしたICチップの塊です。ICチップは1,2年で技術革新が進み、陳腐化が激しい部品です。外装はすばらしいが、中身が数年で劣ってしまう腕時計を手放しで評価することは困難です。

Appleが本格的に腕時計市場を牛耳りたいならば、デジタルメカニズムをできるだけ排除した、本格的な高級腕時計であれば購入するユーザの満足度は何年も維持できたのではないかと思います。今のApple Watchの評価を下げたくないならば、iPhoneのように毎年新機種を発表せず、少なくても2年おきに新商品を発表する程度に控えめにしないと、AppleWatchは長くは続かないのではないかと思います。

まとめ

Apple Watchは、iPhoneのサブ端末であり、単体では意味を成さない「腕時計」です。すでにスマートフォンと腕時計を常用している人にとっては、特に興味もわかないちょっと高い腕時計であると言えます。そのため、初代Apple Watchについては、アーリーアダプターが購入する「Appleへのお布施」の意味が強い商品となるでしょう。
applewatch_01


私のように、腕時計を普段していない人にとっては、さらに受け入れるのに時間がかかるデバイスです。今やスマートフォンによって、腕時計の人口が減っているのにもかかわらず、Appleは自分らが潰しにかかった腕時計市場を牛耳る姿勢に出てきました。

ただし、ウェアラブルデバイスという観点で言えば、まだまだ発展途上にあります。今後の主流がメガネ型になるのか、腕時計型になるのか、それ以外の形になるのか分かりませんが、ウェアラブルデバイスが一般化するための第1歩として、非常に重要なデバイスになることは間違いありません。

今回のApple Watchは見送りますが、次回のApple Watchには期待する所が大きいのもまた事実であり、どのような新機能が追加されるのかも気になります。また、対応アプリについても年月を経ていくことで、これまでに想像もできなかった革新的なアプリが登場する可能性もあります。発売まで間もなくですが、Apple Watchの動向に目が離せない状況が続きそうです。